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Oiran
06/03/2005 Garando Records
Zettaimu's 4th album
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Oiran

Album Reviews


Aug.19 2005
James Santillana - US professional writer
The title "Oiran" in Japanese culture is roughly defined as a courtesan of high class and nobility and were said to be highly skilled at Japanese instruments. This album embodies those characteristics in its upbeat tracks and passionate lyrics. Of course instead of the classical 3 stringed shamisen instrument we get a dose of modern accompaniment which treats each song with fervent vibe. Often lighthearted and hard, the songs inspire psychotropic moods without the influence of abusive substances.


Jul. 9 2005
CD Jornal - Japan Music Zine
83年の結成以来、「和」と「ロック」の融合を目指したサウンドをつくり続けるバンドの2年ぶり、4作目。現シンガーの要子の内省的な詞とスピリチュアルなプログレ・サウンドが楽しめる。今回はよりポップになった。


Aug. 2 2005
Player - Japan Music Zine
'83年結成、日本人ならではの叙情性とロック・サウンドを融合させて、独自のスタイルを築きあげてきた絶対無が通算4枚目のオリジナル・アルバムを完成。
独自のスタンスでの活動ながらすでに20年以上のキャリアを持ち、欧州、米国でも高い評価を得ている。
サイケなギターサウンドとドラミング、そしてそこに要子のモノローグ的なヴォーカルが加わるのだが、組曲的かつ演劇的なミステリアスさがかなり印象に残る出来栄えだ。
その持ち前の和風な旋律がオルタナ、プログレetc.といった一癖も二癖もある音楽性をまとう化学変化もさることながら、"あなたの子がほしいわ 誰も見てないもん"とか"死ねばよかったと思いきや"・・・鮮烈な言葉の世界に触れないわけにはいかない。
アップトゥデイトな音楽とは思えないけれど、何年か後に聴いても、この鮮烈さは薄れないはず。
ライヴのほうもかなり内容が濃さそうだ。


Sep. 2005
和の精神を大切にしたロック・バンド絶対無による、通産4枚目となる作品。日本の伝統音楽~昭和歌謡、そして欧米のロック・サウンドを見事に自分達の中で消化しており、プログレ系やオルタナ系のリスナーを始め、多くの音楽ファンにもアピールする不思議な音楽性を内包しております。ライブにも足を運ばせていただきましたが、独特のムードと確固たるスタンス~世界観を持ったRockグループであるという印象をさらに強く持ちました(絶対無のLive Reportについては、こちらをどうぞ)。前作から余りインターバルを空けずに、2年ぶりとなるリリースとなりましたが、ベーシストのMayさんとキーボーディストの豊岡さんが脱退しており(Genesisのアルバムタイトルを借りて表現するならば)、「そして3人が残った」ということなのでしょう。しかし、前作と比べても些かの迷いもたじろぎもない、彼らの作品中でも最もライブリーで躍動感のあるサウンドが支配的であります。
まず個人的に強く感じ取ったことは、以前から持っている絶対無のメンバーそれぞれの良さを保持しつつも、より違った側面を押し出したりといった具合に変化や、進歩の跡を見ることができます。特にボーカリストの要子さんの場合、前作とは違う手法や新しいことにも挑戦している様子が窺えます。彼女の持ち味である自然体で、フレンドリーな歌い方はキープしつつも、楽曲によっては歌詞の世界観に影響された大胆で過激な部分も演出しております。ドラマーの松橋 道伸氏のプレーも前作と比べると、アプローチの仕方が大変面白いと思いました。数多くのライブ・パフォーマンスで磨き上げてきた、ご本人のプレースタイルと表現力はとても豊かなものであるなーと感銘を受けるに値するものが充分にあります。
リーダーの古江 尚氏は、本来のパートであるギターだけでなくキーボード・ベースも担当しておりますが、アンサンブル指向の演奏はより強くなったと思います。古江さんの場合、受け持つパートが何個もあって大変だったのではないでしょうか。演奏面ではお互いをサポートしつつ、主役である歌と音楽に一番気を遣っておりまして、その辺りメンバー全員が熟知しているなーと感心しました。
この花魁全体の印象ですが、以前よりもハードでドライブ感のある演奏が楽曲によっては前面に登場しております。Hard RockやAlternative Rockを聴くファン層を取り込む力を持っています。また彼らは内省的な面を見せながらも、包み込む優しさも持ち合わせており、その辺りは欧州のProgressive RockやSymphonic Rockが好きなリスナーの琴線にも触れる可能性が充分にあると思います。バンドの結束を強固にし、満を持して発表されたのが、この「花魁」であります。欧米のRockサウンドと、日本の土着音楽や伝統的なサウンド、そして和の精神・・。これらを融合させ、且つ本物に仕上げていくというのは並大抵のことではありません。
オープニングのタイトルトラック「花魁」が刺激的で、ムード的には戦前の映画やドラマ作品のシーンで出てくるような感じで、賑やかで楽しさに溢れた繁華街や吉原などを想起させます。1曲目に見られる、躍動的な宴会風のドンちゃんした雰囲気がとても印象的で、パーカッシブで面白いなーと思いました。間違いなくこの曲は、ライブでも好まれている1曲ではないかと思います。2曲目の「あなたの子がほしいわ」、3曲目の「I'm Sure(きっと)」、4曲目の「tsu-bo-mi」に至るまで、艶かしくもギラギラした躍動感は一貫して繋がっていると思いました。5曲目の「わたしには分からない」以降は、6曲目の「ぬけがらの瞑想」、ラストの「キミがついた小さなウソ」などは、前半4曲の悩ましさや異常な情熱とは、またかなり異なるムードが出ていると感じました。後半4曲は、主人公が次第に迷走し、自分を失っていくかのような、そんな印象を持ちました。全体的には甘美で幻惑的なムードが充満していますが、キャッチーで楽しい部分は、まるで楽しいお祭り囃子のような懐かしさも出ています。要子の歌、古江のギターサウンドとオーケストレーション、そして松橋によるドラミング、このトリオによって見事に演出し、自分達の持っているものをぶつけてきたと思います。
特にコンセプト作品として狙ったのかどうかは定かではありませんが、「花魁」をモチーフに、作品全体にひとつの流れを作り上げていますね。女性の観点から描かれた恋物語・男女にまつわる悲哀などが中心に含まれております。性を扱った歌詞などは、かなり妖艶で刺激度が強いです。本当に歌詞だけ見ると、(もちろん音楽性は全く異なりますが)、Pain of SalvationのRemedy Laneなみに、性的なテーマを大胆に取り扱っていて、最初はビックリしました(^^;)。これは聴き手によると思いますが、私の好みの見地から言うと、情念にまみれたドロドロしたマニアックなものになっていないのが大きな救いです。確かに妖艶なのでありますが、ポップな感覚も伴ったロック・サウンドに仕上げており、しかも親しみやすいのがユニークです。
テーマ的には、「花魁」という日本独特の文化背景を取り上げていますが、楽器やサウンド自体は欧米から持ち込まれたものを用いて全く違和感なく表現しているところが、絶対無の最大の武器であり魅力であります。またこの作品で新しい境地に達することが出来たのではないでしょうか。この作品で描かれている内容が、きっとライブではさらに毒々しくも躍動感溢れるものになって、ヘヴィでパッショネイトなものになるのだなーと予想しております。レヴューを書きながら、個人的に思い巡らしてきましたが、内容が、「花魁」というセクシュアルなものを扱っていますが、ヨコシマな気分はどっかに置いて、体当たりで真っ向から格闘していくべき音楽作品ではないでしょうか。もちろんサウンドの仕上がりも大変良好で、バランス感覚もナイスです。日本のProgressive /Alternative Rockシーンの中でも、極めて孤高の存在と言えるでしょう。


Sep. 19 2007
ともだちからCDを借りたのですが本気で好きになり、買い巻した。他のともだちにいばってます。 大人のロックだと思いました。いままでJPOPしか聞いたことはないけど、これは強烈でした。
Recording secret story / Episode / Spoilers

タイトル曲「花魁」のルーツは日本民謡「大漁唄い込み(宮城県民謡)」にある - 【談】古江
自分が幼い頃、隣の祖母のうちでは、しばしば近所の年寄りたちが夜になると宴会を開いていました。
祖母が三味線を奏で、集まった爺さん婆さんたちが酒を飲み、さぞかし楽しそうに大勢で踊りながら唄う「大漁唄い込み」は特に大好きで、そのリズムや音階は自分のカラダの深くまで溶け込みました。幼い少年にとっては、あまりにもカッコいいサウンドに聴こえ、メロディーやリズム、ノリが次の日、幼稚園に行ってもアタマから離れず、先生が弾くお遊戯のピアノがやたら退屈に感じてしまいました。(笑)
このアルバムタイトル曲「花魁」の音階とノリ「えんや~とっと、えんや~とっと」は正にこの民謡が基盤となりました。ベースライン、ギターソロなんて、あの曲の特に好きな部分、6th の音が満載。わずか半音違いですが、7th にすると多分、全然感じの違うロック音楽になったと思います。また、間奏以降はその古き宴会のノリで自分とドラマーの松橋さんが福島のスタジオで酔っぱらって手拍子してます。(汗)
時間がありましたら、YouTube などで「大漁唄い込み」を是非とも聴いてみてください。間奏ギターソロやリズムがソックリで笑っちゃうかもです。「爺さんたちの宴会じゃん!?」って・・・

このアルバムは3人だけで制作したが、音楽以外でいろいろ苦労があった - 【談】古江
新しいアルバムを早く作ろうと言い始めたのはボーカルの 要子 でした。
要子 は 絶対無 に入る前、いくつかのメジャー系オーディションを受け、音楽に対してずいぶん嫌気がさしていた感じでした。2003年に 要子 は 絶対無 に加入しましたが、11曲を半年で仕上げるという短期間でアルバム What Can I Do がリリースできたのも 要子 のモチベーションのおかげです。What Can I Do では初めて詩を1曲「てふの舞」書いて歌ったので、もっともっと詩を書き、歌いたいと、エネルギーに満ち溢れていました。What Can I Do のレコ発ツアーが終わって間もなく、そういう 要子 のモチベーションを裏切るかのように、自分は熊本での単身ホテル生活が始まり、東京でメンバーそろってのリハーサルすらできませんでした。
しかし、要子 にせっつかれて何とか曲を作ろうと思いましたが、新しい曲を作るというモチベーションが環境的に持てなかったので、昔作ってためてある曲のネタで何とかしようと思ったのです。その時、家庭の事情でバンド活動がもう続けられないかもと言い始めたキーボードの 豊岡 さんに、自分のたくさんの古い曲ネタをMDで聴かせたら「これはいい曲ですね!」と言ってくれたのが「花魁」でした。
ところが、自分は熊本で単身ホテル生活をしていたため時間がほとんどとれず、3人揃ってリハーサルすることもできない状況。そこで、曲作りの方式を変えました。コンポーザの自分がある程度まで全パートをアレンジした状態でたたき台として、ホテルすぐ近くのパルコ内スタジオで録音し、それを二人のメンバーに送り、各々が自分のアイデアを考え盛り込む。そして、自分が東京に戻ったわずかの時間に個別でスタジオに入り、その考えてもらったアイデアを次々と重ねていく。その繰り返しで短い時間で曲を磨いていきました。それしかなかった。
なので、3人揃ってリハーサルすることは一度もありませんでした。要子 も 松橋 さんも、マスタリングが終わって初めて完成した曲を聴いて「へぇ~、こういう曲なんだぁ~!」という感じでした。まあ、その反応を見るのも面白かったですけど・・・
そういう理由で、アルバム収録曲のいくつかは、20代前半の絶対無結成以前にため込んだネタで作られています。(汗)
雑誌などのレビューをみても、前作よりポップになったとあるのは、それがバレちゃったのかなと・・・
Credits
Produced and arranged by Zettaimu
All lyrics and music by Hisashi Furue,
except for track #1, #4, #5, #7 lyrics by Kanako
Mixed and Mastered by Hisashi Furue
Recorded in Yokohama, Fukushima
JAPAN. 2004
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ZETTAIMU
Hisashi Furue - acoustic guitar, electric guitar, pianos,
electric bass, keyboards, background vocals
Michinobu Matsuhashi - drums
Kanako - vocals and background vocals
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SPECIAL THANKS
innersleeve - art direction
Shimiz Takako - label drawing
Yamamiya Azusa - tatoo drawing
Oishi Kayo (willplus) - coordination
(C)2005 Garando Records. Tokyo, JAPAN
(P)2005 The Copyright in This Sound Recording is Owned by Garando Records. Tokyo, JAPAN
Oiran
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